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兜の復活プロジェクト

 兜が絶滅危惧種だというのはよく知られたことです.もの凄い数の株が掘り取られ日本を含む世界中のサボテン愛好家がこれを買い求めたのです.かくいうボクも高校生になった頃には既に輸入球の兜を持っていました.子供でも買える値段だった事を意味します.原産地では絶滅が心配されるこの兜を復活させようというプロジェクトがあります.アメリカ合衆国魚類野生生物局が行うテキサスプロジェクトは,兜の自生地と保護された植物の再調査,保護,再導入,シードバンクなどからなります.目指すところは,完全に保護された自律再生産可能な最低2000個体を有するサイトを10カ所維持,確立することです.
兜再生プロジェクト①2021
 これに関して面白い話があります.これは,Southwestern rare and endangered plants: Proceedings of the Fourth Conferenceに載ったペヨテと兜の何やら悲しい関係の記事です.ペヨテは当地のヒスパニック系住民により採取され,ライセンスを持った商人がネイティブ・アメリカンに販売されます.これは合法的採取です.テキサス州だけで年間200万株が採取されます.ところが2枚目の写真にあるようにペヨテと兜は同じ場所に生えており,外観が似ているのです.もし0.1%が誤って採取されるとその数は全米の兜の推定生存数と同じになります.事実採取されたペヨテの中に兜が混在しており,ペヨテの顧客のお土産にされているとのことです.皮肉なことにこの事実は,実は兜が公式に報告されいる以上にたくさん自生している事を示してもいます.
兜再生プロジェクト②2021
兜再生プロジェクト③2021
 3つ目の記事は,兜の自生地への再移入の成果報告です.テキサス州の自生地に春と秋に種子及び実生苗(5〜13mm)を植えて,4週間ごとにモニタリングしたというものです.14ヶ月後,は種したものはわずかに4%が生存していましたが,苗を植えたものは春植えで55%,秋植えで72.5%が生存しており,株径も増えていたという結果でした.再導入には実生苗の植え付けの方が有効という結論です.
兜再生プロジェクト④2021
 絶滅危惧種の保全はどんな世界の植物でも容易ではなく,また必ずしも効率的ではありません.遺伝的多様性を失うことなく,かつ地域変異自体を保存してゆくのは相当慎重な作戦が必要です.かつて日本でも絶滅危惧種を組織培養で増やして自生地に植えるという荒唐無稽な事を本気で取り組んだ事例もありました.

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さぼちゃんだいすき

Author:さぼちゃんだいすき
金沢に生まれたボクは,熱心なサボテン少年でした.2010年,30年数年ぶりにサボテンに本格復帰.2020年末,長年の夢だった栽培場を開設.第二の人生は,サボテン中心に生きることを決意.残された時間は,心からサボテンを楽しむ事にした.

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