目賀田守種の博士論文
友人から目賀田論文って知ってますか?と聞かれました.とある方が何かにつけ目賀田論文では云々というので,気になっているとのこと.アストロフィツムの交配に関する文脈で語られていたとのことなので,おそらく彼の学位論文のことだろうと思いました.目賀田守種については以前にちょっと記事にした後,色々と調べていました.目賀田守種は京都大学農学部の在学中にいくつか論文を発表しています.しかし第二次世界大戦で召集され戦死していますので,それほど多くの情報が残っているわけではありません.ボクの父も同世代で京都大学在学中に学徒出陣しており,こんな大変な時代にサボテンを研究していた日本人がいたことに大変感銘を受けました.
さて当該の論文がこれです.京都大学農学部紀要に1944年に発表されています.論文は,細胞遺伝学と分類学の二部構成になっています.細胞遺伝学のパートの構成は,交配実験,配偶子の稔性,自家不和合性からなっており,分類の項では,基本5種を上げ,黄色花種と底赤種をそれぞれAustraastrophytumとSeptentriastrophytumの2つの節に分けて記載しています.

下の写真でご覧の通り,80年近く前,しかも戦争中の日本で出版された雑誌ですから,紙の質は良くなく,周辺から崩壊しつつあります.まあ良くこんなものの原本が残っていたものだと感心しました.コピーを取って大切に図書館に返しました.

交配その他の結果は,現在の知見とあまり変わりがありません.ただ難交配組み合わせの中でも雑種が得られることがあり,それらを元にさらに交配が進められることは,植物育種の中ではごく当たり前に行われてきたことです.このことは,翻って今目の前にあるアスロトの雑種性を十分に考慮すべきであることを示しています.
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さて当該の論文がこれです.京都大学農学部紀要に1944年に発表されています.論文は,細胞遺伝学と分類学の二部構成になっています.細胞遺伝学のパートの構成は,交配実験,配偶子の稔性,自家不和合性からなっており,分類の項では,基本5種を上げ,黄色花種と底赤種をそれぞれAustraastrophytumとSeptentriastrophytumの2つの節に分けて記載しています.

下の写真でご覧の通り,80年近く前,しかも戦争中の日本で出版された雑誌ですから,紙の質は良くなく,周辺から崩壊しつつあります.まあ良くこんなものの原本が残っていたものだと感心しました.コピーを取って大切に図書館に返しました.

交配その他の結果は,現在の知見とあまり変わりがありません.ただ難交配組み合わせの中でも雑種が得られることがあり,それらを元にさらに交配が進められることは,植物育種の中ではごく当たり前に行われてきたことです.このことは,翻って今目の前にあるアスロトの雑種性を十分に考慮すべきであることを示しています.
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