CSSAのジャーナル2021夏号のアリオカルプス
表紙はPilosocereusu,色々な記事が盛り沢山なのですが,今回はアリオカルプスの記事に惹かれました.

180年に渡りAriocarpus属の種を記載してきた10人余り主要な研究者の記載を時系列で辿り,その変遷を紹介しています.最も古くは1838年にScheidweilerがアリオカルプスを記載し,今馴染みのある牡丹類の分類は,Schumannが今の岩牡丹,黒牡丹,亀甲牡丹,三角牡丹を1899年に記載したことに始まります.

形態的特徴で最も注目されたのはアレオレです.刺を有するアレオレと花を着けるアレオレに別れるかどうか.牡丹類には刺は有りませんが,その実生を観察すると最初は明らかに刺のあるアレオレを出します.Berger (1925)は,アレオレが1つになったものをRoseocautus属としました.その後1941年にアガベボタンが発見され,Neogomesia属が創設されます.その後BackbergやAndersonによる再整理がなされ,今の年配者が馴染みのアリオカルプスとロゼオカクタスの分類が世の中に定着します.1984年にヒントニーが,1992年にブラボアヌスが発見され,さらに分類の再検討が進み,2001年にAndersonのThe cactus familyが,2006年にHuntのThe new cactus lexiconが出版され,現在の7種,Ariocarpus agavoides, A. retusus, A. scaphirostus, A. trigonusそして亜属としてAegopodatheleが設けられ,A. fissuratus, A. kotschoubeyanus, A. braboanus(亜種としてsubs. Hintoniiを含む)が確定します.
分類自体が学問で有り、時代とともに分析の技術は進展し,その解釈は異なるのですが,出発点はいつの世も現に生えている植物です.下の写真のように同じコロニーに生える岩牡丹と三角牡丹は,単純にイボの形態や花色からは種を分けたりくっ付けたり出来ないことを如実に示してくれます.

何度もこれまで書きましたが,分類が整備されるということと,小さな変異をひらって磨きを掛けて園芸品種が生まれることを同じ土俵で議論してはいけないのです.分類は分類,園芸は園芸です.
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180年に渡りAriocarpus属の種を記載してきた10人余り主要な研究者の記載を時系列で辿り,その変遷を紹介しています.最も古くは1838年にScheidweilerがアリオカルプスを記載し,今馴染みのある牡丹類の分類は,Schumannが今の岩牡丹,黒牡丹,亀甲牡丹,三角牡丹を1899年に記載したことに始まります.

形態的特徴で最も注目されたのはアレオレです.刺を有するアレオレと花を着けるアレオレに別れるかどうか.牡丹類には刺は有りませんが,その実生を観察すると最初は明らかに刺のあるアレオレを出します.Berger (1925)は,アレオレが1つになったものをRoseocautus属としました.その後1941年にアガベボタンが発見され,Neogomesia属が創設されます.その後BackbergやAndersonによる再整理がなされ,今の年配者が馴染みのアリオカルプスとロゼオカクタスの分類が世の中に定着します.1984年にヒントニーが,1992年にブラボアヌスが発見され,さらに分類の再検討が進み,2001年にAndersonのThe cactus familyが,2006年にHuntのThe new cactus lexiconが出版され,現在の7種,Ariocarpus agavoides, A. retusus, A. scaphirostus, A. trigonusそして亜属としてAegopodatheleが設けられ,A. fissuratus, A. kotschoubeyanus, A. braboanus(亜種としてsubs. Hintoniiを含む)が確定します.
分類自体が学問で有り、時代とともに分析の技術は進展し,その解釈は異なるのですが,出発点はいつの世も現に生えている植物です.下の写真のように同じコロニーに生える岩牡丹と三角牡丹は,単純にイボの形態や花色からは種を分けたりくっ付けたり出来ないことを如実に示してくれます.

何度もこれまで書きましたが,分類が整備されるということと,小さな変異をひらって磨きを掛けて園芸品種が生まれることを同じ土俵で議論してはいけないのです.分類は分類,園芸は園芸です.
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