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老化と若返り

 ボクが園芸を学んだ師の1人は,植物の齢に特別な興味を持っていて,老化と若返りと題した論文の中でサボテンの事を書いています.交配育種の進んだクジャクサボテンを挿木し,そこから出てきた分枝を切り取り挿木をする.これを何回か繰り返すと,ついには交配種に用いられたと予想される柱サボテンのような分枝が形成されて来ます.植物の老化と若返りに関わる様々な現象を論考し,彼は,植物個体の老化の本質は,個体の中で時間齢の高い部分が占める割合が高くなることによる矛盾だとしたのです.一方で時間齢と生理齢の不可逆的進行も否定しませんでした.期末試験の問題に「樹齢数千年の屋久杉の枝先の細胞と今年芽生えたスギの実生苗の枝先の細胞は同じ歳か?」とありました.この問いに対してしっかり論ずるのはなかなの見識が必要です.
 さて前振りが長くなりました.この小さな株は,アチラセンセ×緋花玉です.昔に何度か記事にしています
アチ緋花蕾2021
 その株はだんだん老化し,最近どうにも具合が良くなかったのですが,昨年横に吹いた仔を外して植えたのがこの株です.萎縮しかけた母体の上にあった仔も赤ら顔で萎びていたのですが,独立したら俄然元気になりました.このようなことは,サボテンではよく見かけます.古株の枝なのですが,母体から切り外すと一種の若返りが起きるのです.綺麗に咲いた様子を見ると嬉しくなります.
アチラ緋花の花2021 (1)
 マミラリアなどの群生株から分枝を一つ外してもよく似たことが起きますね.面白いことだと思いつつ,既に亡くなった師のことを懐かしく思い出しました.

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さぼちゃんだいすき

Author:さぼちゃんだいすき
サボテン少年でした.

2010年,30年数年ぶりにサボテンに復帰.

2020年末,長年の夢だった栽培場を開設.

第二の人生は,サボテン中心に生きることを決意.

残された時間は,心からサボテンを楽しむ事にした.

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