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なぜ白ランポーと瑞鳳の交配種はないのか

 表題の様な素朴な疑問.兜と白ランポーの交配種は普通にある.兜と瑞鳳の交配種は比較的容易で,これらは共に底赤の花を咲かせるからと説明されています.ではなぜ白ランポーと瑞鳳の交配種はないのか?先日載せた白ランポーの記事に遺伝的な情報に基づく系統樹を載せました.ここから見てもあっても良さそうなのです.
 生殖隔離という現象は,地理的な隔離と生物的隔離の両面があります.白ランポーと瑞鳳には2枚目の写真の様に地理的な隔離はありません.この問題を実験的に確かめたというのが下の論文です.
白ラン瑞鳳はなぜ無い①2020
白ラン瑞鳳はなぜ無い②2020
 結論的に言えば雑種を得るのは難しいという話です.交配しても多くの花は着果せずに落ちたことから受精前障害がありそうです.でもこの論文では,相手の柱頭上での花粉の発芽や花粉管の伸長は調査されていません.さらに稀に種子が採れること,そしてその種子は発芽するものの葉緑体を欠如する状態で発芽し直後に枯れてしまうという結果でした.多くの種間交雑で,胚乳の発達欠如や実生の葉緑体欠損などの受精後障害がよく知られています.
 ここまで読んでまあそうだろうなと思ったのですが,過去の様々な人のフィールドの調査で,自然雑種を思わせる植物の報告がいくつもあるのです.全くできない訳ではないのかも知れません.人工的には胚培養を試みると雑種が採れるかもねと思いました.カプトメデューサと他の有星類との交配は,種子は採れても発芽しなかったり,特にカプトメデューサを子房親にすると皆母親と同じカプトメデューサになったりします.なかなか奥深い世界ですね.
 
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さぼちゃんだいすき

Author:さぼちゃんだいすき
サボテン少年でした.

2010年,30年数年ぶりにサボテンに復帰.

2020年末,長年の夢だった栽培場を開設.

第二の人生は,サボテン中心に生きることを決意.

残された時間は,心からサボテンを楽しむ事にした.

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