シャコバの思い出
秋になり園芸店に並ぶデンマークカクタスを一つ買ってみました.デンマークカクタスは商業上の通称で,シャコバサボテンが正しい和名です. Schlumbergera truncataの学名が用いられますが,いくつかの種が関与している典型的な園芸交配種で,Schlumbergeraハイブリッドと呼ぶのが適当かも知れません.
子供の頃,シャコバサボテンの花色は紅赤色一色でした.年末に出荷されるのでクリスマスカクタスとも呼ばれていました.下の写真は1970年頃,実家の金沢の家の前で撮った写真です.この頃ちょっと驚くような経験をしました.本で読んだのでしょうか,肥料をやると良いという情報を得た子供のボクは,水苔で植えられたシャコバサボテンを鉢からすっぽり抜いて鉢底に鶏糞を一掴み入れて植え戻しました.しばらくすると地際の茎節から見るからにツヤツヤになってきて,それが先端に向かってどんどん進んでいったのです.肥料が効くってのはこういう事なのか!と感心しました.

さて今回手にしたのはフリーダというオレンジ花系品種とカミーラというピンク花系品種です.色々な花色ができているよね,程度にぼんやりと認識していました.改めて調べてみると,驚くほど沢山の品種が生み出されています.花色は白系,赤系,ピンク系,オレンジ系に大別でき,さらに変わり咲きの品種もありました.日本にもブリーダがいることが分かり,何だか嬉しくなりました.


原種の花芽分化は短日で誘導されますが,様々な背景の種が交配された現在の品種群は,単純に短日植物とは言い難くなっています.花芽分化の様子は,こんな感じです(Tech. Bull. Fac. Agr. Kagawa Univ. 51:1-4 (1999)).

花芽が形成されている間は放射相称であり,蕾が完成後に花被片が伸長する過程で,不均等に発達し開花時には上下のはっきりした左右相称花になります.多くの左右相称の花は,このように花芽分化初期は放射相称で後にに左右相称になります.一方ラン科植物の花芽は,分化の早い段階から上下が決まっています.これらの位置決めに関する遺伝子も特定されており,この左右対称花という形質は植物進化の系統樹の中で独立して何度か起きた結果であることが分かっています.
最近は,このシャコバサボテンの茎節を台木とした実生接ぎが話題になっています.こんなことが出来るとは思ってもみませんでした.来春には挑戦してみます.
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子供の頃,シャコバサボテンの花色は紅赤色一色でした.年末に出荷されるのでクリスマスカクタスとも呼ばれていました.下の写真は1970年頃,実家の金沢の家の前で撮った写真です.この頃ちょっと驚くような経験をしました.本で読んだのでしょうか,肥料をやると良いという情報を得た子供のボクは,水苔で植えられたシャコバサボテンを鉢からすっぽり抜いて鉢底に鶏糞を一掴み入れて植え戻しました.しばらくすると地際の茎節から見るからにツヤツヤになってきて,それが先端に向かってどんどん進んでいったのです.肥料が効くってのはこういう事なのか!と感心しました.

さて今回手にしたのはフリーダというオレンジ花系品種とカミーラというピンク花系品種です.色々な花色ができているよね,程度にぼんやりと認識していました.改めて調べてみると,驚くほど沢山の品種が生み出されています.花色は白系,赤系,ピンク系,オレンジ系に大別でき,さらに変わり咲きの品種もありました.日本にもブリーダがいることが分かり,何だか嬉しくなりました.


原種の花芽分化は短日で誘導されますが,様々な背景の種が交配された現在の品種群は,単純に短日植物とは言い難くなっています.花芽分化の様子は,こんな感じです(Tech. Bull. Fac. Agr. Kagawa Univ. 51:1-4 (1999)).

花芽が形成されている間は放射相称であり,蕾が完成後に花被片が伸長する過程で,不均等に発達し開花時には上下のはっきりした左右相称花になります.多くの左右相称の花は,このように花芽分化初期は放射相称で後にに左右相称になります.一方ラン科植物の花芽は,分化の早い段階から上下が決まっています.これらの位置決めに関する遺伝子も特定されており,この左右対称花という形質は植物進化の系統樹の中で独立して何度か起きた結果であることが分かっています.
最近は,このシャコバサボテンの茎節を台木とした実生接ぎが話題になっています.こんなことが出来るとは思ってもみませんでした.来春には挑戦してみます.
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