白ランポーの立ち位置
ボクは子供の頃,この白ランポーというサボテンに何か特別な思いを持っていました.当時アストロはサボテンの花形選手であり,普通のランポーに比べてやや希少であった白ランポーは憧れサボテンでした.一見ランポーそっくりでありながらガタイはランポーより硬く,重いのです。何より綺麗な底赤の花を咲かせる様は,ランポーでありながらランポーではないということを如実に示しており,子供心に深い印象を与えるものでした.今でも大好きです.最近苗の供給が減っているとか,チョット心配です.下の写真はウチに居る2株の白ランポーです.仲が悪く,なかなか同時に咲きません.


白ランポーは,Astrophytum coahuilenseと言う学名が与えられています.これは,白ランポーの特徴を示す個体の分布がコアイウラ州の一部に限られていることと,この植物の形態的特徴が普通のランポーA. mryiostigmaとは異なり,明白な底赤の花を持ち,果実,種子,胚珠の形態などや果実の裂け方が瑞鳳玉A. capricorneに近いことなどが根拠となっています.分かり易いのが果実の裂け方です,ランポーは果実の頂部が裂開しますが,白ランポーを含め兜や瑞鳳玉はこのようなことはなく,果実全体が膨満しやがて下部が脆くなりますが,頂部が裂開することはありません.これはヘキラン,果実の頂部が5片に裂開しています.

次は群鳳玉の果実,完全に熟して果実の下の方から種子がこぼれます.

以前にも書きましたが、これを認めずランポー一種とする見解もあります.AndersonやHuntの本ではA. mryiostigma1種です.一方で近年のDNAベースでの分類では,明らかに上記の形態的特徴の差異を支持しており,Astrophytum属は二群すなわち,兜ー瑞鳳玉ー白ランポーグループと般若ーランポーグループに分けられるとされています.下の写真は,Vazquez-Loboら,Systematic Botany 40: 1022-1030 (2015)にある図の1部です.どれだけ外観が似ていいても違うものは違うという強力な証拠です.

分類は人間のなす行為ではありますが,同時に現段階における進化の反映の認識の到達点でもあります.形態などの外観とDNA情報はお互いに補助しあってこそ真理に近づけます.
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白ランポーは,Astrophytum coahuilenseと言う学名が与えられています.これは,白ランポーの特徴を示す個体の分布がコアイウラ州の一部に限られていることと,この植物の形態的特徴が普通のランポーA. mryiostigmaとは異なり,明白な底赤の花を持ち,果実,種子,胚珠の形態などや果実の裂け方が瑞鳳玉A. capricorneに近いことなどが根拠となっています.分かり易いのが果実の裂け方です,ランポーは果実の頂部が裂開しますが,白ランポーを含め兜や瑞鳳玉はこのようなことはなく,果実全体が膨満しやがて下部が脆くなりますが,頂部が裂開することはありません.これはヘキラン,果実の頂部が5片に裂開しています.

次は群鳳玉の果実,完全に熟して果実の下の方から種子がこぼれます.

以前にも書きましたが、これを認めずランポー一種とする見解もあります.AndersonやHuntの本ではA. mryiostigma1種です.一方で近年のDNAベースでの分類では,明らかに上記の形態的特徴の差異を支持しており,Astrophytum属は二群すなわち,兜ー瑞鳳玉ー白ランポーグループと般若ーランポーグループに分けられるとされています.下の写真は,Vazquez-Loboら,Systematic Botany 40: 1022-1030 (2015)にある図の1部です.どれだけ外観が似ていいても違うものは違うという強力な証拠です.

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