サボテンの炭疽病抵抗性について
まず最初に紹介するのは,Kim, Y. H. et al. Occurrence of collectotrichium stem rot caused by Glomerella cigulata on grafted cactus in Korea. Plant Pathol. J. 16: 242-245 (2000)です.三角柱に接木された緋牡丹と山吹において,明るい褐色のえそ班または水侵状の病斑が出たものから,炭疽病菌が分離されたというものです.この様な腐敗は,日本で栽培していても時々あるかと思います.

さらにこの論文の中では他の柱サボテン類の炭疽病に対する抵抗性を接種法で調べており,商業的に流通しているHylocereus trigonusいわゆるドラゴンフルーツ3系統全ておよびAcanthocereus tertagonus五稜閣は罹病性,その一方で,Harrisia tortuosa(金時),Cereus pervianus(神代)などは抵抗性であり,竜神木や袖ヶ浦はその中間であるとしています.三角柱に出て,袖にもこの様な腐敗が出ることはこれはこれまでウチでも観察してきました.
またその他のサボテンではウチワサボテンに炭疽病が見られることも別の論文(Kim, W. G. et al. Plant Pathol. J. 16:294-296, 2000)で報告されています.以前に同じ様な病気がウチワにも出ることを記事にしてきました.
さらに興味深いのは,昨日記事にしたカサブタのことです.上に示した抵抗性の種であるCereus pervianusおいて,離層形成による抵抗性という面白い構造的抵抗性があることが,Kim, Y. H. et al. Abscission layer formation as a resistance response of Peruvian apple cactus against Glomerella cingulata. Phytopathol. 92:964-969 (2002)で報告されています.この離層形成は,落葉などで見られる離層形成と極めて似た形態形成プロセスで作られる,侵入した菌の代謝系に反応して植物側の防御システムが働くことなどが示されています.昨日記事にした太平丸のカサブタ状の病班は,彼らが必死に抵抗した証とも言えます.しかし残念ながら太平丸は完全抵抗性ではなく,徐々に侵入を許してしまうと言えます.昨日の手術の様に,カサブタを剥がし,組織を削って,薬剤塗布することで,これ以上病気が進行しなければ良いのですが.また後日,継続観察してその結果を報告します.
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さらにこの論文の中では他の柱サボテン類の炭疽病に対する抵抗性を接種法で調べており,商業的に流通しているHylocereus trigonusいわゆるドラゴンフルーツ3系統全ておよびAcanthocereus tertagonus五稜閣は罹病性,その一方で,Harrisia tortuosa(金時),Cereus pervianus(神代)などは抵抗性であり,竜神木や袖ヶ浦はその中間であるとしています.三角柱に出て,袖にもこの様な腐敗が出ることはこれはこれまでウチでも観察してきました.
またその他のサボテンではウチワサボテンに炭疽病が見られることも別の論文(Kim, W. G. et al. Plant Pathol. J. 16:294-296, 2000)で報告されています.以前に同じ様な病気がウチワにも出ることを記事にしてきました.
さらに興味深いのは,昨日記事にしたカサブタのことです.上に示した抵抗性の種であるCereus pervianusおいて,離層形成による抵抗性という面白い構造的抵抗性があることが,Kim, Y. H. et al. Abscission layer formation as a resistance response of Peruvian apple cactus against Glomerella cingulata. Phytopathol. 92:964-969 (2002)で報告されています.この離層形成は,落葉などで見られる離層形成と極めて似た形態形成プロセスで作られる,侵入した菌の代謝系に反応して植物側の防御システムが働くことなどが示されています.昨日記事にした太平丸のカサブタ状の病班は,彼らが必死に抵抗した証とも言えます.しかし残念ながら太平丸は完全抵抗性ではなく,徐々に侵入を許してしまうと言えます.昨日の手術の様に,カサブタを剥がし,組織を削って,薬剤塗布することで,これ以上病気が進行しなければ良いのですが.また後日,継続観察してその結果を報告します.
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