キリンウチワの実生接木
昨日からのキリンウチワ続きです.キリンウチワの接木はごく簡単で,色々な方がその方にあった工夫をされており,ネットには多数の報告があります.共通するキリンウチワの実生接木のポイントは,台木にしっかり潅水することと,接いでからしばらくは接木面を乾燥させないことのようです.空気の動かない部屋に置くならそのままもよし,袋をかぶせるのもよしです.穂木と台木の切断面を圧着させるため何らかの重石が必要かというと,実生接ぎでは不要のようです.異なる植物の切断面が接触する面では,新たな細胞分裂が起き,カルスが形成されます.その後,穂木の方から維管束が分化して伸び台木に繋がります.これは穂木の成長点で作られるオーキシンが体内を求基的に移動することにより導かれる現象であることが,40年ほど前に三角柱を使って報告されています(Shimomura and Fujiwara, Plant & Cell Physiol. 19(5):877-886 1978ほか).
さて生物系のボクは,そこらに転がっているエッペンを帽子にしてみました.手軽で良さそうです.でもこれさえ面倒なボクは,少量の株数なら全体を何かでカバーした方が楽チン,プラケースなど2つ使って一方を蓋にして数日置くことにしています.

3日もすると穂木がふっくらしてきます.多分これで大丈夫です.でも内部では,まだ維管束は繋がっていません.上位の葉の腋芽が動き始めます.キリンウチワは頂芽優勢の強い植物で,普通は滅多に分枝しませんが,頂部がなくなると一斉に分枝を開始します.穂木が膨れると同時に分枝が始まることは,この段階では単に切断面で細胞分裂が再開し癒合した状態で,内部ではまだ維管束は繋がっていないことを意味します.三角柱の組織観察によると維管束連絡は15〜20日を要しています.

旺盛な成長の開始は、大体2週間目以降に観察されます.維管束が繋がり,力強い葉からの転流が始まった訳です.下の写真は,カプトメデューサ交配,さてどのようになるか楽しみです.

どんな台木が良いのか,議論はたくさんあります.台木と穂木の相性や接木の目的よって台木を使い分けるのが良いのでしょうね.ボクの場合,早春から梅雨までは袖ヶ浦,梅雨から秋まではキリンというパターンが良さそうです.
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さて生物系のボクは,そこらに転がっているエッペンを帽子にしてみました.手軽で良さそうです.でもこれさえ面倒なボクは,少量の株数なら全体を何かでカバーした方が楽チン,プラケースなど2つ使って一方を蓋にして数日置くことにしています.

3日もすると穂木がふっくらしてきます.多分これで大丈夫です.でも内部では,まだ維管束は繋がっていません.上位の葉の腋芽が動き始めます.キリンウチワは頂芽優勢の強い植物で,普通は滅多に分枝しませんが,頂部がなくなると一斉に分枝を開始します.穂木が膨れると同時に分枝が始まることは,この段階では単に切断面で細胞分裂が再開し癒合した状態で,内部ではまだ維管束は繋がっていないことを意味します.三角柱の組織観察によると維管束連絡は15〜20日を要しています.

旺盛な成長の開始は、大体2週間目以降に観察されます.維管束が繋がり,力強い葉からの転流が始まった訳です.下の写真は,カプトメデューサ交配,さてどのようになるか楽しみです.

どんな台木が良いのか,議論はたくさんあります.台木と穂木の相性や接木の目的よって台木を使い分けるのが良いのでしょうね.ボクの場合,早春から梅雨までは袖ヶ浦,梅雨から秋まではキリンというパターンが良さそうです.
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