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今年もキリンの園建設へ

 7月初旬から始めたキリンの実生接.今年もキリンの園が出来つつあります.ボクはカキコなどの大きな穂をキリンに接ぐことは全くなく,全て実生のタイムマシン用です.自分で交配したものの顔を早く見たい,育種のスピードアップしたい,ただそれだけがキリンを使う理由です.効率を重視するボクは大きなキリン苗を使いません.下の写真のような草丈7cmぐらいの苗です.背の高いキリンに接いだ場合と比較して,穂木の成長に大差はありません.穂木の下にある葉は10枚以下でも十分なのです.ですから背の高いキリンを使う必然性は全くありません.
キ園拡大①2023
 接木する部位の葉も取りません.節間を安全カミソリで横に切るだけ.
キ園拡大②2023
 そこに穂木を乗せて軽く圧着,ハイ終わり.
キ園拡大③2023
 数日間は風に当てたくないので,プラスチックケースを2つ重ねて利用しています.これは意外と重要で,ここで乾かしてしまうと接木の成功率は極端に低下します.
キ園拡大④2023
 徐々に外気に慣らしながら1週間後に箱から出す時期になると,このように最上位の腋芽が動き始めています.
キ園拡大⑤2023
 そこで3年前記事にしたタバコの腋芽抑制剤を葉の付け根に小さな筆でちょんちょんと処理.できる限り全ての葉の付け根に処理します.下の写真で黄色い薬剤が葉の付け根にあるのが分かると思います.この程度の量で十分です.これで当分腋芽は伸びて来ず,腋芽取りの手間がかかりません.
キ園拡大⑥2023
 その後は,ポットに植わったままハウスの地床へ置きます.自然と鉢底から地面に根が降りてゆきます.水と肥料を吸い上げたキリンの葉は,接木時の2倍ぐらいに大きくなります.これで来春までしっかり光合成をしてもらいます.
キ園拡大⑦202
 太平丸の育種では,昨年の60余りの交配組み合わせから得た実生を,1交配から3本に限定して,順次乗せて行きます.アストロは,実生の顔を見て気になったものを拾い上げます.さらに今年はコピやエリオシケなどもたくさん蒔いたので,それらも気になったものは接木してゆきます.
 大体いつも8月末にはその年の実生接を終了させるので,そろそろ折り返し地点に来た感じです.それでは後一月,頑張って接木します.

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赤実のドラゴンフルーツの花

 ウチには10年以上前に果樹を研究している友人からもらった2系統のドラゴンフルーツがいます.現在はドラゴンフルーツも交配種が多くなり,園芸品種として栽培されています.とは言え基になった原種と外観上の違いはほぼなく,どれがどれなのかは見分けがつきません.そんなこともあってか,学名の表記も色々です.今日取り上げる赤実のドラゴンフルーツはHylocereus polyrhizusとされていましたが,H. monacanthusとされるようになった様です.梅雨明けまぢかのハウスで蕾が大きくなってきました.まるで鎧を纏ったかの様な風貌です.
レッドピタヤ①2023
 午前中はスマートだった蕾が夕方ぐっと膨らんできました.何処か動物的な感じです.
レッドピタヤ②2023
 6時ぐらいから先端が解け始め,9時には満開です.大変,華やかな花姿ですね.この花を見るとセレニセレウス属にすべきという意見にもなるほどと思います.
レッドピタヤ③2023
レッドピタヤ④2023
 この赤実種は自家受粉しないらしく,花粉を柱頭につけてみましたが,結実しませんでした.

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大竜冠ファミリーの夏

 ウチに居る2つの大竜冠開花株,お決まりのように開花期が全く合いません.でもそれは十分に想定済み,今年はカクタスクラブ先輩たちに花粉の交換をお願いしていました.
 まずはこの株,一つしか咲きませんでしたが,頂いた花粉をつけ,どうやら着果した様です.この花粉を採種して保存して次に咲く株の開花に備えました.
大竜冠の花2023
 もう一つの開花株,こちらはたくさん咲くのですが,超晩生,開花し始めたのは7月下旬です.所蔵花粉で交配し,この株の花粉は先に花粉を頂いた方へお返しするために貯蔵しました.
大竜冠の花②2023.
 そして随分前の実生接木たち,早く咲かないかなーと待っていますが,サイズ的にはもう一息ってところ.彼らは袖の短台付きなのですが,普通春先から新刺を出し,暑くなるともう成長を停止していました.それが普通なのだろうと思っていました.ところが今年は7月中旬に微量要素とフルボ酸などが入ったいわゆる植物活力剤を灌水代わりに与えたところ,再び新刺を出してきました.何はともあれ,成長促進になれば幸いです.
大竜冠の接木苗2023
 そして昨年自家生産した種子から唯一出てきた第1号,プシスに接いでみました.まだビー玉程度ですが,元気に成長中.
大竜冠の自家実生2023
 だんだんと大竜冠ファミリーは増えつつありますが,まだ自由に種子生産できている状態ではありません.ボクが生きている間に十分な種子を採って,それらを蒔き,最終的にこいつらを飼い慣らすことができるでしょうか.

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火星人の化け方

 もう随分前に火星人(Fockea edulis)を手にしたのですが,最初の頃はコーデックスらしく根を露出して鉢植えされていました.でも芋をすっかり埋め込んで植えるとよく肥大するよと聞かされ,その後は首まで植え込んで栽培していました.栽培といってもほぼ放置です.冬は無加温のハウスに入れますが,GW過ぎには外に出し,後は庭の植物一緒に水をやるだけ.植えていたプラ鉢が妙に楕円形になってきたので,そろそろ植え替えてやることに.
フォッケア①2023
 掘り出してみるとこんな感じでした.なるほど大きくなっています,
フォッケア②202
 これから暫くはコーデックスらしく根を観賞して見ることにし,新しい鉢に植え替えました.
フォッケア③2023
 でもこんな姿はエデュリスくんにとっては本来のあり様ではなく,頼むからもう一度土に埋めてくれ!と言っているようです.

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テトランシストラはアメリカン

 これはMammmillaria tetransistra,ちょっと変わったマミで,故郷はカリフォルニア半島の付け根から北に向けてネバダ,ユタ,アリゾナにまたがる広い範囲.つまり数少ないUS産のマミです.小型の種で基本単茎,側刺の色には白味が強いものから赤褐色気味のものまであり,それによりかなり印象が異なります.暑くなってから盛んに新しいカギ刺を出してきましたが,その様子は美しいものです.
テトラン②2023
 ラベンダー色の比較的大きな花です.自生地の南カリフォルニアでも暑い季節に降る雨の数日後にパッと咲いてすぐ閉じてしまうので,なかなか花を見ることができないとされています.でも幸いなことに栽培下では数日咲いていてくれました.
テトラン①2023
 彼らは富貴丸という和名をいただいていますが,あまり流通していません.やや栽培困難種とされるのが原因でしょうか,ステキなマミなのでもっと普及するといいのになと思います.

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プロフィール

さぼちゃんだいすき

Author:さぼちゃんだいすき
サボテン少年でした.

2010年,30年数年ぶりにサボテンに復帰.

2020年末,長年の夢だった栽培場を開設.

第二の人生は,サボテン中心に生きることを決意.

残された時間は,心からサボテンを楽しむ事にした.

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