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袖を養成する

 来春に向けて袖の養成に取り掛かりました.まずこの春にややサイズが不足で接木を見送った株たち,ポットの用土を足して真っ直ぐになる支柱を立てました.別に少しぐらい湾曲していても生育支障はないのですが,接ぎ木のやり易さとその後に地植えする時の効率から,できれば真っ直ぐになっていてほしいものです.彼らは来春は真っ先に接木に使われると期待されます.
袖の準備①2020
 次は昨年後半に蒔いた者たち.実生苗を一度小型のバットに移植したものです.成長の大小が出るのは仕方のないこと.実はこれは花粉親が違っても出来る袖は皆同じなのだということを示したくて作ったもの.花粉親は大豪丸,メラノケントラ,ウンドラータの3種類のエキノプシスです.何を使っても袖は袖,でもこれが面白くてその仕組み解明に試行錯誤してます.
袖の準備③2020
 個鉢に上げてやりました.これが来年の接木の主力になるかな.初夏までにだいたい倍の大きさになります.
袖の準備④2020
 そして初夏に蒔いた実生苗.袖と花袖そしてプシスです.来春早々に植え替えることになると思いますが,来年の接木には間に合いません.
袖の準備②2020
 これくらいの数段構えがいつも必要でよね,でもつい種を蒔くのを忘れてしまうのです.思いついたが吉日,また少し蒔いておきますか.幸い袖の種子は受粉実験をしたので,ほんと大量にあるんです.実生苗を作ると売れるかな?などと思ってしまいます.

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眠らない亀甲竜

 夏の終わり,昨年末から出ていた茎が枯れつつありました.そんな中で新しい蔓が2本続けて伸びてきました.あれ休眠しないの?と思いましたが,気温が下がってきた時期ですから良しとしましょう.ぐんぐんと伸びる蔓は,昨年出ていたものよりずっと太く,立派です.
眠らぬ亀甲①2020
眠らぬ亀甲②2020
 昨年12月の写真と見比べると1シーズンでこんなに大きくなるんだと感心しました.本体の亀甲模様もくっきりとして来て,全体に一回り以上大きくなっています.
眠らぬ亀甲の今2020
 昨年から今年にかけて,確かに葉の存在期間は長ったのですが,そんなにたくさんの葉枚数があったわけでもありません.小さな葉ですが,個々の葉の生産効率はなかなか良さそうです.兎に角,葉を枯らさないことが肝のようです.

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花咲く火星人の姿

 火星人(Fockea edulis)は,旧ガガイモ科の植物です,今はキョウチクトウ科に大括りされています.夏の終わりにふと見ると蔓のそこかしこに花がついています.最初ガガイモ科のイメージと違う花だなと思いましたが,マダガスカルジャスミン,イエライシャン,オキシペタラムなどを思い起こせば,花の形はそもそも多様であることがわかります.まあ,分類のことは分類学者にお任せしましょう.雌雄異種のはずなので,この株の花が機能的にどっちかなと観察.花粉が出ているようにも見えるので雄株かな.
火星人の花2020
火星人の花②2020
 この株は2年前,こんな様子のベアルート株を手にしたものです.将来が面白いだろうとちょっと形が変わっているものを選んだのです.
火星人購入時2020
 あれから2年,髪をなびかせ立ち上がる姿はますます火星人らしくなって来たと思いませんか?
火星人の今2020
 芋の部分を埋め込んでやった方が良く肥大するということなので,次は埋め込んでやりますか.数年後火星人がどのように化けるのか楽しみにして.

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白瑞鳳玉と瑞鳳玉

 先日白ランポーの立ち位置について書いたのですが,この白瑞鳳玉と瑞鳳玉はもっと微妙な位置にあります.というのは,これまでにAstrophytum capricorneという基本種に対していくつかの近縁種または変種が記載されて来ています.これらの多くは別種とする根拠に乏しく,今はA. capricorne一つにまとめられています.その中でA. capricorn v. niveum(白瑞鳳玉)は自生地がコアウイラ州クアトロシネガスとされ, A. capricorneの広い自生地の中の一つです.さらに日本で大鳳玉と呼ばれるものもA. capricorne var. crassispinumという学名が与えられているものの,自生地はやはりクアトロシネガスとされ,区別されるべきものかどうかは,議論のあるところのようです.まあ,細かい話は分類学者に任せるとしましょう.不幸はこのniveumという学名にあります.ニベウムとは「雪のように白い」という意味で,外観で区別されて名付けられています.今流通している白瑞鳳が,厳密にクアトロシネガスに産するニベウムとされる個体群の後代なのかと問われると恐らく違うというのが正解かと思います.つまり瑞鳳系の中で特白選抜種を白瑞鳳と呼んでいるものと理解するのが適当です.園芸的に選抜されたものの特徴と学名の意味が一致してしまうという不幸により,白瑞鳳玉=A. capricorn v. niveumということになっているのですが,完全にイコールではありません.ですからニベウムと白瑞鳳玉を別々に記載している佐藤さんの原色サボテン事典は一つの見識かとも思います.趣味家としては,驚くほど白く刺が勇壮に渦巻く瑞鳳玉であれば,それはそれで嬉しいのですが.
 ウチにいる2株の白瑞鳳玉です.それぞれ個性が違います.園芸的に見ても何か白瑞鳳玉の判定基準で,どこからが瑞鳳玉なのか全く不明です.
白瑞鳳2019
白瑞鳳2020
 もしかすると白黒着けず瑞鳳玉一本で良いのかもしれません.

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シャコバの思い出

 秋になり園芸店に並ぶデンマークカクタスを一つ買ってみました.デンマークカクタスは商業上の通称で,シャコバサボテンが正しい和名です. Schlumbergera truncataの学名が用いられますが,いくつかの種が関与している典型的な園芸交配種で,Schlumbergeraハイブリッドと呼ぶのが適当かも知れません.
 子供の頃,シャコバサボテンの花色は紅赤色一色でした.年末に出荷されるのでクリスマスカクタスとも呼ばれていました.下の写真は1970年頃,実家の金沢の家の前で撮った写真です.この頃ちょっと驚くような経験をしました.本で読んだのでしょうか,肥料をやると良いという情報を得た子供のボクは,水苔で植えられたシャコバサボテンを鉢からすっぽり抜いて鉢底に鶏糞を一掴み入れて植え戻しました.しばらくすると地際の茎節から見るからにツヤツヤになってきて,それが先端に向かってどんどん進んでいったのです.肥料が効くってのはこういう事なのか!と感心しました.
シャコバ昔の写真2020
 さて今回手にしたのはフリーダというオレンジ花系品種とカミーラというピンク花系品種です.色々な花色ができているよね,程度にぼんやりと認識していました.改めて調べてみると,驚くほど沢山の品種が生み出されています.花色は白系,赤系,ピンク系,オレンジ系に大別でき,さらに変わり咲きの品種もありました.日本にもブリーダがいることが分かり,何だか嬉しくなりました.
DCフリーダ2020
DCカミーラ2020 (1)
 原種の花芽分化は短日で誘導されますが,様々な背景の種が交配された現在の品種群は,単純に短日植物とは言い難くなっています.花芽分化の様子は,こんな感じです(Tech. Bull. Fac. Agr. Kagawa Univ. 51:1-4 (1999)).
シャコバ花芽分化2020
 花芽が形成されている間は放射相称であり,蕾が完成後に花被片が伸長する過程で,不均等に発達し開花時には上下のはっきりした左右相称花になります.多くの左右相称の花は,このように花芽分化初期は放射相称で後にに左右相称になります.一方ラン科植物の花芽は,分化の早い段階から上下が決まっています.これらの位置決めに関する遺伝子も特定されており,この左右対称花という形質は植物進化の系統樹の中で独立して何度か起きた結果であることが分かっています.
 最近は,このシャコバサボテンの茎節を台木とした実生接ぎが話題になっています.こんなことが出来るとは思ってもみませんでした.来春には挑戦してみます.

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プロフィール

さぼちゃんだいすき

Author:さぼちゃんだいすき
サボテン少年でした.

2010年,30年数年ぶりにサボテンに復帰.

2020年末,長年の夢だった栽培場を開設.

第二の人生は,サボテン中心に生きることを決意.

残された時間は,心からサボテンを楽しむ事にした.

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