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花王古株突然の崩壊

 暑い日が続きました.昨日まで何事もなかったかのようにいたはずの花王丸の古株,朝見ると全身変色しています.ビックリしました.
突然の崩壊①2022
 抜き上げてみると根は極めて健康です.この株は10年以上前に買った古い接ぎ降ろしで,おそらく袖台と思われます
突然の崩壊②2022
 根元から少し上の部分を横断してみました.柔組織は黒く変色していますが,芯の部分は健康な色をしています.しかしその一部(写真では下の方)は変色しており,ここが病巣のようです.
突然の崩壊③2022.
 切り取った株の下の方を,今度は病巣と思われる部分を中心に縦断してみました.台木の組織と花王の組織が接するあたりに壊疽(崩壊した組織)が見られます.ここが出発点でしょうか.
突然の崩壊⑤2022.
 さらに全体を縦断して並べてみました.画像の右側の維管束は健全な白い色をしていますが,左側は成長点直下まで褐変しています.病原菌が何であるのかは分りません.しかし古い接木部位から侵入してごく短期間に広がったと思われます.ほとんどの柔組織が黒変している様子から,この病原菌は何らかの毒素を出していることが予測されます.
突然の崩壊④2022
 この春は太平類にはかなり積極的灌水を実施してきました.やはり高温期になってからは灌水を控え気味にすべきだったかなと少し反省しています.不気味な画像ばかりでごめんなさい.でも記録しておかないと経験が生きないと思いまして.

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アロエに発生した異形

 アロエの花柄に何か不思議なものが付いています.よく見るとシュートの塊のようです.実は昨年に戸外に置いていた大きなアロエの花柄でも同じようなものを見ていました.何だろうと思っていたのですが,冬になって枯れて無くなってしまっていました.
アロエ異形③2021
 よく観察すると花柄の基部も幅広になっていてどことなくホルモン異常の雰囲気です.
アロエ異形⑥2021
 これは別の株です.異常な形態が葉にも?と思いました.
アロエ異形②2021
 いえいえ異常な部分はやはり花柄で,これを取り去ると本体は正常です.
アロエ異形⑤2021
 その塊を分解すると幾つかの肥厚したシュートで構成されていました.
アロエ異形④2021
 こうした異常はどうして生じたのでしょうか.何かの感染症?よく似た異常がかつてカーネーションの切り花生産でも見られ,萎縮叢生症と呼ばれました.やたら成長点ばかり増えて茎が伸びないので,切り花にならない厄介な病気でした.ヨコバイが媒介するマイコプラズマ感染症が最も有力な原因とされました.しかし決着がつかないウチに、よく発生する品種が生産されなくなり,話題にされなくなりました.今回のこの異形もそう頻発するわけでもなく,夏の間草むらに埋もれるように戸外で粗放栽培されたアロエにたまに出るってものです.まあ,一つの記録とした残しておきます.

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病み上がり

 春の開花を迎えたある太平丸です,ごく普通に見えます.
病み上がり①2021.
 その裏側はこうなってます.太平丸のカサブタを剥がすという記事を上げたのは,去年の秋でした.太平丸で時折起こる表皮下の変色とその後のカサブタ化.これはゆっくりとしか進行しませんが,ある程度進むと一気に広がり枯死します.これは炭疽病だと思っていますが,病理学的証拠はありません.さて昨年の記事で載せたものとは別の株で,カサブタのひろがりの大きかったのがこの株です.カサブタの面積が大きく,大手術になりました.カサブタを剥がした後,彫刻刀で表面を削り,チオファートメチル剤を塗り付けておきました.
病み上がり②2021
 その後カサブタを剥がした後はきれいにカルスが形成され,盛り上がったきました.何か憑き物が落ちたようにガタイ全体が膨らみ元気になっています.少なくとも現在まで新たな病変の発生はありません.
病み上がり③2021
 これからも観察を続けますが,放っておけば数年のうちに枯死する可能性があったわけで,こうした積極的対処は大切な株を守るためには有効な方策の様です.

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見つけたぞ

 11月も中旬というのにまだ夜蛾が活動してるようです.斑入りランポーの成長点近くでお食事中の幼虫を発見しました.いつも関心するのですが,親である蛾はどのようにして植物の柔らかい部分を見つけるのでしょうか.産み付けられた卵はすぐに孵り,卵の殻を食べるとすぐ付近の植物を食べ始めます.古い葉に産み付けられたら幼虫はたまったもんじゃありません.特にサボテンなんかは何処が柔らかい成長点付近なのかは見分けにくいんじゃないでしょうか.でもちゃんと接木ものでしかも成長点付近に卵を産み付けているようです.敵ながら天晴れです.
 この写真の中央,幼虫が頭をランポーのガタイに突っ込んでお食事中なのが分かりますか?
見つけた①2020
 この太平くん,幼虫は見当たりませんが,糞が残っているので,どこかに必ず居ます.
見つけた②202
 殺虫剤を早速ひと吹き,簡単に退治はできたのですが,ほげた跡は戻りません.ハウスへの蛾の侵入を防ぐのは容易ではありません.

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ヨトウは頭隠して尻隠さず 

 秋口になるとサボテンの若い部分が大きくかじられる被害がしばしば出ます.周囲に深緑の小さく丸い糞があるかどうかで犯人がわかります.今年も幾本かのキリン接ぎの穂木がやられました.犯人は相当なグルメで若い部分を好んで食害します.犯人はヨトウ,といっても与党ではありません,夜盗です.
ヨトウ被害2020
ヨトウムシと言われる厄介なイモムシは、ヨトウガおよびハスモンヨトウという蛾の幼虫です.年2回ほど発生するのですが,2回目の9月から11月かけて発生する幼虫がなかなか厄介なのです.特にハスモンヨトウは,売られている農薬(殺虫剤)に抵抗性があり,最終兵器であるテデトール(手で取る)以外有効な手立てはありません.しかし,名前の通り夜に徘徊するのでなかなか見つかりません.大きな食害にあってもどこ探しても何処にも居ない!って感じです.実は株元の土の中にいることが多いのですが,そうわかっていても見つかりません.
 ただし,だんだん齢が進むとさらに大胆になるというか怠惰になるというか,土に戻らなくなります.ただここが彼れらの愚かなところで,頭隠して尻隠さず,頭だけどこかに突っ込んでのうのうと寝ています.これが次の写真,ヘキランの花がらに頭だけ突っ込んで寝ていました.
頭隠して2020
 彼らはグルメが故にサボテンの場合食い尽くすことはなく,ある程度のサイズのサボテンの場合は,下の写真のように成長点付近の柔らかいとこだけを齧って,堅いところは食い残します.また分枝して来るであろうから処分せずに置いていますが,齧られていなければ今頃はピンポン玉ぐらいになってた筈,残念です.
ヨトウの食害2020
 サボテンのハウスの中でヨトウガが世代交代をしているとは思えません。周りから若齢虫が入ってくる,または雑草に卵が産み付けられるのではないかと思います.何れにせよ厄介なことです.

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プロフィール

さぼちゃんだいすき

Author:さぼちゃんだいすき
サボテン少年でした.

2010年,30年数年ぶりにサボテンに復帰.

2020年末,長年の夢だった栽培場を開設.

第二の人生は,サボテン中心に生きることを決意.

残された時間は,心からサボテンを楽しむ事にした.

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