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メヒコ3rd その56 旅のまとめ

 今日で一応メヒコ3rdを締めようと思います.長々とお付き合い頂きありがとうございました.
 帰ってからすぐに写真を整理すると共に,それぞれの種について改めて本などで調べ直したり,友人に尋ねたりとこのブログの記事を書くために相当の時間を費やし,あっという間に2ヶ月余りが過ぎてしまいました.いつも百聞は一見にしかず!と言っているのですが,ただ見ただけではダメで,こうして復習することが如何に大切かを再認識する日々でした.
メヒコ3rd56-①.
 メヒコ3rdの最初の記事で書いた様に,今回の旅では2人の連れがあったことにより,これまでにない大きな収穫が得られました.目の数,それを通じて得た情報を再構成する頭(脳)の数,これが増えることは想像以上に豊な成果をもたらすものだと痛感しました.もちろん全体を通してロドリゴさんの卓越したガイドがその基盤にあったことは言うまでもありません.3人の方々に心から感謝いたします.
メヒコ3rd56-②
 さて2週間のメキシコの旅で分かったことは,加齢による我が身の体力の低下が自覚していた以上に進んでいるということでした.それなのに,まだバハカリフォルニアは見ていないなあー,マミラリアの宝庫南部のプエブラなんかも見てみたい,それより体の動く間にチリーに行かねば,などと妄想に耽る今日この頃です.

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メヒコ3rd その55 命をつなぐ

 ある動植物が,将来に渡り絶滅の危険がないというためには,その動植物が健全な形で存在しているだけではなく,自然の状態で世代交代ができていることが重要です.現地でサボテンを見ると,すごく立派な株に目が行きがちですが,その場で小さな実生苗が育っているのかどうか,いつも気にしていました.命がつながっている様子を,この目で見ておきたいのです.
 太平丸は結構な頻度で小さな株が見つかりました.
メヒコ3rd55-①
メヒコ3rd55-②
 アンシストロカクタスでしょうか.ほんの赤ちゃんと子供たち.
メヒコ3rd55-③
メヒコ3rd55-④
 大きな巌をたくさん見ましたが,ちゃんと次世代もいました.
メヒコ3rd55-⑤
 元々小さいツルビニ,彼らも世代が繋がっていました.
メヒコ3rd55-⑥
 そしてこれはエビの何かでしょうか.岩の割れ目に根を下ろし,これから長い苦難の道のりが待っています.
メヒコ3rd55-⑦
 たくさんの種子が大地に蒔かれるのですが,運よく草陰だったり岩の割れ目だったりで湿った土があるところに落ちた種子だけが発芽.そのうちの多くは乾燥に耐えられず死滅し,ほんの僅かなものだけが成長してゆくという厳しい,しかし考えれば当たり前の植物の営みが繰り返されています.

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メヒコ3rd その54 アルボピロサ

 アガベのアルボピロサ(Agave albopilosa)は新しく報告された種です.アガベ音痴のボクでも一応名前ぐらいは知っていました.しかし,その自生地が極めて限られているというのは認識がなく,どれぐらい稀なのかは知りませんでした.ウステカ渓谷を車で深く分入り,さらに山道を歩き,ようやく辿り着いた崖に彼らは居ました.まずは比較的観察し易いところにいたもの.綺麗にポンポンが開いています.
メヒコ3rd54-①
 周りには結構な頻度で笹の雪(A.victriae reginea)が居ますが,遠目にはそれが笹の雪なのかアルボなのか全く見分けがつきません.しかも急峻な崖にいるわけですから,そりゃなかなか発見されないわけだと思いました.
メヒコ3rd54-②
 その後向かいの崖に取り付いたものの,岩登りの装備なしにはとても無理.
メヒコ3rd54-③
 それでも一株になんとか近づき観察できました.
メヒコ3rd54-④
 周りにたくさんいる笹の雪は,それは立派なものでした.アガベは基本栄養成長期間が非常に長く,かつ花を咲かせるとその個体は死ぬという一巡植物です.
メヒコ3rd54-⑤
 でも見ているとサイズと花の上がりは必ずしも相関があるわけではなく,下の写真のように小ぶりながら花を上げてくるものもいました.
メヒコ3rd54-⑥
 帰国してから,今回一緒に回ったYさんからアルボピロッサのカキ仔苗を一ついただきました.なるほどこんなものかと繁々と眺めました.先っぽのポンポンは,最初は葉先のキャップの様なものに包まれていますが、葉が古くなるとそのキャップの向軸面が縦に割れてポンポンが出て来ます.この葉先のポンポンで水を捕らえるって,本当なの?と思ってしまいます.この辺りの年間降雨量は500mm程度と少ないのは確かですが,年中平均して降る様な所です.それほど適応的とは思えないのですが.
メヒコ3rd54-⑦
 アルボピロサの居る所は容易にアクセスできない場所ですから,簡単には無くならないのかもしれません.しかし元々個体数が少ないとのことですから,しっかり保護してほしいなと思います.

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メヒコ3rd その53 クアトロシネガス

 クアトロシネガスという響きは独特で,何はともあれ一度は行ってみたかった場所です.近年は観光地としても注目され,白い砂の丘は結構有名だったたりします.
メヒコ3rd53-①
 白い砂の中で小さなサボテンを探すのはなかなか大変です.
メヒコ3rd53-②
 その白い砂の中に居たのはAncistrocactus pinkavanus です.種小名は植物学者Donald J. Pinkawa氏にちなんだものです.乾季は完全地面の下に隠れており,雨が降った時だけ地上に顔を出すといった生態の持ち主とか.そりゃ見つけるのは難しいですよね.こうして見られたのはラッキーだった言えます.
メヒコ3rd53-③
 もう一つはEscobaria viviparaです.北極丸として知られていますが,メキシコ北部から合衆国南部に広く分布しているので,形態的に相当な種内変異があり,幾つもの異なる和名が与えられています.この写真のものもウチにいるビピパラとは随分様子が異なります.
メヒコ3rd53-④
 クアトロシネガスのあるコアウイラ州西部と隣のチワワ州は,合衆国南部から連なる広大なチワワ砂漠の南の端です.当たり前のことですが,植物には国境はなく,合衆国南部と共通のものが多く見られるのです.

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メヒコ3rd その52 クアトロシネガスのワルノッキー

 クアトロシネガスの平原,そこに居たのはEchinomastus warnockiiでした.ワルノッキーの生息地はUS南部からチワワ砂漠の広範囲におよび,個体数も多く,絶滅の危機にあるものではないようです.日本ではマスタスと聞いただけでもうこれは希少なのかなと思ってしまうのはイメージ先行の故でしょうか.草に隠れる様に何気ない姿で野にいました.
メヒコ3rd52-②.j
 全身を白い刺で覆い尽くされているタイプ.
メヒコ3rd52-①
 やや刺に色の付くもの.
メヒコ3rd52-③
 中刺がクッキリとグレーに色付くもの.
メヒコ3rd52-④
 うーんこれらは皆ワルノッキーで良いの?と思いつつ同じ地域にあるのだからこれが実態なのかと.以前にウチの栽培品SB452を紹介しましたが,全然印象の違う風貌にどうしたことかと思いました.それだけ多様性に富むのかな.

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プロフィール

さぼちゃんだいすき

Author:さぼちゃんだいすき
サボテン少年でした.

2010年,30年数年ぶりにサボテンに復帰.

2020年末,長年の夢だった栽培場を開設.

第二の人生は,サボテン中心に生きることを決意.

残された時間は,心からサボテンを楽しむ事にした.

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