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ランポーの訪花昆虫

 この春にメキシコへ行った際に運よくランポーの花を訪れているハチの写真を取ることができました.そもそもランポーたちの訪花昆虫はどのようなものなのか興味が湧きました.この論文は,デュランゴ州の自生地において,どのような昆虫がどのような頻度で訪花するのかを調べた論文です.
ランポー訪花③2023
 最も頻繁に訪花した昆虫は,Anamboderaの1種(タマムシ科の甲虫),Phaedrotettix1種(メラノプルス属のバッタ)、Diadasia olivacea(ミツバチの1種)の3種で,主に11時から13時の間であったとされます.また訪花の目的は,甲虫は花粉と吸蜜,バッタはおしべと花弁の食草,ミツバチは吸蜜でした.ミツバチが主要な送粉者と考えられています.
 下の写真は,タマウリパス州シウダヴィクトリアの西,サンアントニオ付近で今年の春にボクが撮ったものですが,時間は昼すぎ頃でした.まさにミツバチです.観察するとしっかり花に潜り込んでいました.これがどんな種なのかは分かりませんが,上記の種以外にもDiadasia opuntiae, D.rinconisなどがカクタス ビーとして知られています.
ランポー訪花①2023
 またこの論文では下の図にあるようにバッタが訪花する前(灰色のバー)に比べて訪花した後(黒のバー)に他の昆虫が訪花する頻度が有意に低下することを明らかにしています.これはバッタが花を齧るため,破壊された花では他の昆虫が訪花しなくなると考えられます.
ランポー訪花②2023.
 バッタが花を齧るのはそれを食べている訳ですが,下の写真のようにアリもしばしば同様な働きをするようです.これもこの春撮った写真ですが,巌の花は結構な頻度でアリにたかられ,すっかり破壊されていました.
訪花アリ2023
 日本でも外にランポーを置くとハチ類がやってくるでしょうか.ウチのハウスでは側面も網を張っているので,あまり昆虫が頻繁に入ってくることはありません.これまでも自分で人工交配した以外で結実することはほとんどありませんでした.これからは気をつけて観察して見ましょう.

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紅葉と黄葉

 紅葉系ランポーはこの時期から春まで大変いつくしい時期を迎えます.面白いことにこの紅葉系ランポーには下の写真のように紅葉と黄葉があります.
紅葉ヘキラン2023.jpg
 斑入りランポーの斑は,基本黄斑で若干赤みを帯びるものはありますが,完全なる赤斑はありません.兜では斑入りといえば黄斑でしたが,近年赤斑が出回るようになりました.これらの個体は大概黒肌です.
斑入りヘキラン2023
 さらに面白いことに大きくなると綺麗な黄斑となるランポー錦たちも小苗の時はかなり赤い斑になります.
斑入り実生2023
 こうした現象にはサボテンの主要色素であるベタレイン系色素の代謝が関係していると考えられます.ベタレイン系色素は,前駆物質であるベタラミン酸から赤色のベタシアニン,黄色のベタキサンチンになります.前駆物質からベタラミン酸になるキー酵素は明らかにされていますが,残念ながらその後にどちらに向かうのかの制御機構は明らかにされていません.
 さらにどうして紅葉ランポーの紅葉が出現するのかその仕組みは明らかにされていませんが,初夏になると回青することから,一時的にクロロフィルが分解もしくは白色体へ転換されその後再び正常なクロロフィルが出来ると推察されます.

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アストロは水散布種子? 

 アストロの種子は小さなカップ状で,サボテンの中では大きい方です,でもとても軽いんです.そんな彼らの種子が,水散布種子(hydrochory)なのではないかというのが下の論文です.
正しい水散布2021
 アストロの種子は確かに水に浮きます.普通の種子は周りに水があると吸水して重くなり水に沈みます.この論文のデータでは,アストロの種子も水に浮かべると吸水して重量が増えるのですが,尚も長時間に渡り浮かんだままであることを示しました.これはカップ状になっている縁の部分が空気を保持する構造になっているためと論じています.
 自生地であるメキシコ北部では,日本ではゲリラ豪雨と呼ばれるような狭い地域での短期間の凄い雨が当たり前です.以前にメキシコで出会ったすごい雨とサボテンについて書きました.なるほどこの強い雨を利用して種子を散布するというのは,メキシコ チワワ砂漠では一つの有効戦略ですね.
 さらにこの論文では,水に浮かべたままで多数の種子が発芽することから,アストロは洪水で流されている間に発芽し,流れ着いた先で定着する可能性を論じています.なるほどアストロの発芽の速さは目を見張るものがあります.

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雌花と雄花は入れ替わる?

 これは エビサボのコッキネウスです.いかにもエビサボらしい風貌をしています.以前にこの種が実は雌雄異株だと報告したところです.今年はいくつもの株が一斉に開花したので,下の写真のように確かに特徴のことなる花を咲かせるものが見られました.
雌雄①2019
 ところがです.上の写真の左側,すなわち雌しべはちゃんとしているが花粉を出さない機能的雌花を咲かせる株の分枝から咲いた次の花は,下の写真のようになんと機能的雄花でした.
雌雄②2019
 こんなこともあるんだなと感心しつつ,この状態が来年も見られるかどうか確認する必要があるなと思いました.注意深く観察していると知らない世界はまだまだ広がっていることを実感します.

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プロフィール

さぼちゃんだいすき

Author:さぼちゃんだいすき
金沢に生まれたボクは,熱心なサボテン少年でした.2010年,30年数年ぶりにサボテンに本格復帰.2020年末,長年の夢だった栽培場を開設.第二の人生は,サボテン中心に生きることを決意.残された時間は,心からサボテンを楽しむ事にした.

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